漫画誌の喫煙シーンの研究

(1月15日付、1月19日付のつづき)
やっぱり気になるの研究。この研究、本日1月21日にでポスター発表されたはずです。演題名は「少年コミック誌上に登場する喫煙シーンに関する研究」。「学会で発表」と聞くと無条件で権威あるものと思いがちですが、この総会の216もある一般演題のひとつです。無論、それを理由に研究のレベルが低いなどとはいいませんが、少なくとも学会では重要な研究ではないのは確か。また、厚生労働省研究班」という名称を聞くと省の肝いりだと思い込んでしまいますが、この研究は省の助成金を受けているだけかと思います。無論、それを理由に…以下同文。何はともあれこの研究、詳細が知りたくて仕方がない。とりあえず今の疑問点を列記します。まず、それなりの答えが期待できること。
・なぜ94〜02年の偶数年なのか(直近5年にしなかった理由) ・なぜ03年は除外したか(研究当時最新の情報) ・経年的変化のデータはとらなかったのか ・シーン数、作品数以外に登場人物数の集計はとらなかったのか ・喫煙者が成年か未成年かの別は検討しなかったのか ・漫画をジャンル分けする意味は? ・作者の性別を研究対象にする意味は?
これらは「何を数えたか、数えなかったか?」という基本的な疑問。いずれにせよ、機械的に集計するだけなら“客観的な数字”ともいえるのですが、この研究は「たばこに対する否定的なメッセージは、学校もので教師や優等生が注意するなど、ごく一部に限られていた」などとシーンの意味にまで踏み込んでしまった。したがってこんな疑問も出てきます。
・例えば憎むべき悪の親玉が葉巻をふかすシーン、シケモク以外の全てを失った者の惨めな喫煙シーン等、「たばこに対する否定的なメッセージ」は、その害を訴えかけるものだけではない。これらはどう集計したか。 ・物語全体を見通せば喫煙の害を訴えている作品(例:『週刊少年ジャンプ』連載「ROOKIES」)でも、シーン単位で集計すれば喫煙描写豊富となる。これらはどう集計したか。
また、今回の発表はこれでいいとしても、
「今後、未成年の喫煙との因果関係はどういう手法で分析するのか?」
まさかこの展望が無いとは思いませんが……まさか、ねえ? これで終わったら疫学研究ではなくマンガ研究ですよ? (いや真面目な話、どういう手法を用いるつもりなのか非常に興味がある)