鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST

蒼天航路も大概だが、これもいいかげんひどいダイジェストだなと思い始めてきた。原作ほとんど読んでなくて書くのもなんだけど、「鋼の錬金術師」のエンタテイメントとしての核は、「旅先やら旅の途中でいろんな事件に首を突っ込んだり巻き込まれたりするけど、狡知と手パン錬成とで鮮やかに(または九死に一生を得て)解決!!」なんでないの? 誤解を恐れず平板な言葉で言えば「ヒーローもの」の面白さでしょ。なのに今回のアニメは、とにかく話を先へと進めることに汲々として、そうした要素がスッポリ抜け落ちている。
つか、手パン錬成の万能性を描写してこそ、等価交換の原則という制約があることや、人体錬成の禁忌の存在が映え、「賢者の石」を強く求める動機が明確になるのに、現状ではただあらすじを追っているだけ。まさにダイジェストとしか言いようがない。
今回のマルコーノートだって、本来なら「あっちへ行ってこっちへ行って、いろんな錬金術やニセの賢者の石を見てきて、ようやく本物の資料にたどりついた」けれども、材料には生きた人間が必要なんですなんだそりゃーっ!!というお話のはず。なのに、「 」内の話をやらないもんだから全然盛り上がらない。前述の「ヒーローもの」の面白さのみならず、「クエストもの」の面白さまで損なわれている。
原作がどれほどの長編だろうと、1話1話に織り込むべき要素、1クールのなかでやるべき話というのは、本来はそうは変わらないはずだし、ダイジェストならダイジェストで、それなりの構成があるんじゃないのか? それこそ、さっきあげた「 」の部分をナレーションと回想で説明しちゃうとか、はっきりと説明はしないけれど、そういう出来事があったという前提で話を構成するとかさ。
「そういう手法は拙い」という思い込みが作り手にも受け手にもあるようだけど、それも使い方次第でどうにでも活きるんじゃないかね(と、「カブトボーグVXV」を観ながら)。

石田敦子アワー

チャンネルNECOの月曜23時台は、23時から「勇者特急マイトガイン」、23時半からは「魔法騎士レイアース」の石田敦子アワー(勝手に命名。でも編成担当が意識していなかったとは思えん)。マイトガインは数年前にアニマックスで観ているので特に懐かしくもないが、レイアースは今観ると色々と懐かしい。クレフとかアルシオーネとかイノーバとか、絶版車の名がいろいろ出てきて(そっちかよ)。イノーバとか、なんとなくデビューしていつの間にか消えた車だから懐かしさすら感じないよなー。それがこうした形で残っているのが面白い。いや残ってないか。

閑話休題レイアース、話や設定は当時としても王道というか陳腐だし(まぁ第一部のラストは途轍もなくアレなんだが)、特徴のひとつであるディフォルメ化の演出なんかもイマイチこなれていないけど、作画はボチボチだし可愛げがあってよいよい。特に「ゆずれない願い」は映像ともに秀逸なオープニングだよな(それだけに2ndオープニングはハッキリ言って嫌いになれる。十分じゃないし、色々と)。それにしても、オープニングには最初からチラっと登場している3魔神だけみるとスパロボに参戦してもおかしくない作品に見えるな。

そうそう、名前の元ネタの車と各キャラの劇中での役目や性格とが全くといっていいほど無関係なのがレイアースの難点のひとつですが、クレフに関しては、軽自動車(キャロル)やコンパクトカー(レビュー)とイメージを共有する可愛らしいマスクなのに大型セダンというギャップがキャラクターにも反映されていると思います。

そんなのってないよー

ところで「そんなのってないよー」といえばすがわらくにゆきですが、この「はてな」にブログを持っていることに気づいたのはつい先日。地道に長く生き延びてきている、飄々とした感じは割と好きなんだけど、昔の半ば壊れかけてるギャグはもっと好きでした。
「好きとか嫌いとか最初に言い出したのはこの俺だー」とか。