さんかれあ

前回までは「ああ、展開が遅いなあ」と思いつつ、「何か制作上の事情があるのかも」とか「何かしら演出上の意図があってのこのペースなのかも」などと想像していたが、今回で確信した。
シリーズ構成がド下手糞なだけだこれ。
高木登の名をワタクシ内の要注意リストに登録。ちょっとウィキペを覗いてみる。
……ああ、ケータイ捜査官7の「URL」回の奴か。と、いきなり「奴」呼ばわりになるくらいあれは酷い回だった。

2008年8月11日付
 
ただし中身は論外。謎の連続失踪事件という導入はいいとして、何が起きているかよく判らないまま、その場その場のビックリシチュエーション(恐怖ではなくビックリ)をつなげただけでダラダラグダグタと続き、結局なにが起きたのかよく判らずに終わる、山無し・落ち無し・意味無しの展開。ああいうラストなら、クライマックスに向けて「実は全て合理的に説明できるトリックでしたー!」とひとたび解決させた上で、「え、でもここには誰もいませんよ…?」と最後で全てひっくり返してヒヤリ、というのがセオリーだろうに。

そのラストについては、「誰もいません」で終わらせときゃいいのに、「あの世からの通信だったんじゃ…?」なんてダッサダサにストレートな台詞を言わせちゃうセンスの欠如にも目を覆いたくなる。逆に、ケイタが内心では失踪者たちにシンパシーを抱いている、という描写は不足しており、取り込まれそうになったときの台詞が恐ろしく空々しかった。

2009年1月5日付
 
そーいえば前に『ケータイ捜査官7』「URL」の回に対して、「クライマックスに向けて『実は全て合理的に説明できるトリックでしたー!』とひとたび解決させた上で、『え、でもここには誰もいませんよ…?』と最後で全てひっくり返してヒヤリ、というのがセオリーだろうに」と不満をブチまけましたが、『それ町』5巻(asin:4785930861)の一編ではそれをやってのけてるのね。ひっくり返し方が見事というか、九割方は合理的に説明しつつ、全ての謎の解明には至らない心残りをフックにして、最後の最後でがらんがらんとひっくり返してる。

巷の評価では「URL」回みたいなシナリオはJホラーの典型例だそうだけど、もしその評が的を射たものなら(観たことないからわからない)Jホラーの大半はコメディ漫画のワンエピソード以下ってことにならないか? ま、だから衰退したんだろうけど。

今の「さんかれあ」にも同様にダラダラグダグダという難点があるってことは、もう「作風」として固まっちゃったんだろう。
……つまり改善は期待できない、と。
視聴を続けるか微妙。原作はちょっと買ってみる。