今、「理系女子」がモテる理由(『DIME』4.19号)

以前、漠然と「理数系女子というのが次に流行る属性なのかしら」などと書いたり(2010-06-17付)、「「理数系女子」は広く一般に認知される属性、カテゴリたり得るのではないか」(2010-06-30付)などと書いたりしてましたが、今出ている『DIME』誌の小特集、「今、「理系女子(リケジョ)」がモテる理由」によりますと「リケジョとは、理系の学問を専攻する女子学生のこと。彼女達が今、モテまくっているらしい」とのこと。ちょいと買ってみた。
記事は全5ページで、導入となるトビラに1ページ、「クールビューティーな3人に胸キュン リアル「理系女子」の実態」というインタビュー記事に2ページ、「日本経済の救世主は彼女達!? 第一線で活躍する先輩「理系女子」達!」という人物紹介記事で2ページ。「モテまくり」といってもあくまでビジネスシーンに絞った切り口で、「モテ1 就職市場でも理系女子が人気! 何と内定率は90%!?」「モテ2 企業も積極登用! あのヒット商品も理系女子が!」ときて、申し訳程度に「モテ3 理系女子マンガも大人気! 理系女子応援サイトも続々」といった調子です。「モテ3」についてはざっと現状を紹介するだけ、記事本文では触れていません。
うーむ、はっきり言ってこの記事の面白さは「理系女子をフィーチャーした」という一点のみでした。
インタビューでは「当たり前ですが、リケジョといっても、別に特別なわけでなく普通の女の子なんですね」とか(ホントに当たり前)、被取材者に「(理系を選んだデメリットは)あえて挙げるなら、かわいいキャラにはなりにくいってことかな(笑)」と言わせて「皆さん、十分かわいいですよ」と地の文で返したりとか、そんなレベルです。「理系女子=変わり者」という認識がまだまだ根強いことを前提にした記事。「理系専攻であること」以外のスペシャリティは見出されていません。
仕事に関する記事も、無難というか紋切り型。「今まで生かしきれていなかった女性の力を商品開発に生かすことが、長い低迷に陥っている日本経済復活のカギなのかもしれない」とか、「今、消費者の嗜好製は細分化され、商品開発にもきめ細やかな女性的な視点、発想が求められている」とか……ええと、20年前の話ですか? ロッテリアの「カイザーサンドシュリンプ」などはCMでも女性チームが開発したことをアピールしていましたが。(ロッテリア「エビバーガー物語」
いやまぁ、全文をみればまさにその20年前の状況を踏まえており、「1986年の男女雇用機会均等法施行後に入社したリケジョの先駆けとも言える女性エンジニア達」が今や重要なポストに就いていることが、リケジョ躍進の背景だいう分析もあるんですけどね。ただそれにしたって、別にエンジニアに限った話ではないのだから、理系女子が注目される根拠としては弱い。紋切り型の締めもあって、全体として説得力に欠けている感じです。