さいたま市の町域区分の謎

yahooと東京電力が協力して、yahooマップに「計画停電エリア」が表示できるようになっていた。
 
東京電力計画停電マップ(Yahoo!地図)
http://map.yahoo.co.jp/pl?fa=whm&group=0
 
ええと、私の住処は……っと。

その他のグループ(注)
(注)その他のグループとは、複数のグループにまたがっているエリアを示しています。

……ってこれ、マップの7割が「その他のグループ」じゃないか。役に立たないよ。
文字の一覧のほうを参照すると、私が住む町の2丁目はグループ2にもグループ3にも名前がある。まさか両方に入るわけではなく、町内に分割線があるのだろう。その、町域区分とは異なる配電区分こそ、東電が提供すべき情報ではないか。正直、この地図はやっつけ仕事と言っていい。
まぁ、現実問題としては、自分が住んでいるところさえわかれば良いのだから(あとはせいぜい、職場とか取引先、家族親類といったところか)厳密な地図は不要だが、だったらそもそもyahooマップに反映させる必要が無い。こんな中途半端なサービスは東電にも無駄手間で、「誰にとってもやらないほうがマシ」レベルだ。ていうか東電社内には当然、配電区分のマップがあるだろう。それをPDFで提供すりゃいい話じゃないの? 何がやりたいのやら、皆目わからない。
 
ただ、このマップのおかけで町域区分について色々と面白い発見があった。ひとつはさいたま新都心駅周辺、「上落合」という町名だ。
http://map.yahoo.co.jp/pl?p=さいたま新都心駅&lat=35.894596602941036&lon=139.63288176091615&ei=utf-8&datum=wgs&lnm=さいたま新都心駅&idx=25&v=2&sc=3&layer=4
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計画停電エリア」と「地図」を切り替えながらみると、「新都心」の西側一帯以外に、東側にもわずかに「上落合」があることがわかる。おそらくは、かつては線路までが上落合だったのだろう。
ところが後年、駅西側の再開発によって上落合に新都心ができ、その一帯が新たな町名「新都心」となる。駅東側(あるいは線路のある区画か)のごくわずかな上落合は新都心に含まれず、飛び地状態になって残ってしまった……。
そんな歴史が、町名区分だけのシンプルな地図から推察できた。あくまで推察だが、あながち外れてはいまい。
 
もうひとつ、こちらは推察もできないのが、新都心及び上落合と南側で隣接する「上木崎」だ。北西の端のヒョコっと飛び出した一帯は上落合と同様、新都心に食い込まれて境界線が歪んでしまったのだろう。こちらはまぁ、わかりやすい。
謎なのは北の端、北袋町に隣接する部分だ。道一本でつながった飛び地状態で、北袋の中に6軒だけ上木崎が存在している。
上木崎は浦和区、北袋町は大宮区で、つまりそれぞれ浦和市、大宮市と異なる市だったことが謎を解くカギのひとつではある。ただそれは、「北袋町(大宮市)に囲まれているのに上木崎(浦和市)であり続けた」理由であっても、何故このような区分けになったのかの謎解きにはならない。
うーむ、計画停電に関する東電の情報出し惜しみを非難するつもりが、郷土史への興味に膨らんでしまった。町域だと細か過ぎで調べた人もなかなかいないだろうが、浦和vs大宮の市域をめぐる飛び地の謎なら、何かしら詳しい資料もあるだろう。今度の連休にでも調べてみるか。