週刊少年チャンピオン#25

仕事がいよいよ詰まってくると、久々にチャンピオンの感想など書いて気晴らしする(それは気晴らしでなく逃避だと人は言う)。

「ナンバデッドエンド」 家族との和解という大きな山を越えた後にもうひとつ「学校バレ&退学の危機」という山があることは、予想通りというか予定通りといっていい鉄板の展開なのだが、そこにつながる波乱の予兆が静かにスムーズで面白い。
ただ、読者としての興味がグリとグラと池袋のなにがしには全く向かず、今の時点でさらにその先、教頭をはじめとする学校関係者のほうに行ってしまうのはどうかと思わなくもない。前のエピソードでも結局、家族の和解を促す触媒でしかなかったからなぁ。

バチバチ 鯉太郎とその同期メインの話は滅法面白く、今のチャンピオンで最も期待している作品なのだが、鯉太郎以外の空流部屋の力士の話となると正直微妙で、次回以降はしばらく退屈かも。番付も微妙なら鯉太郎に対する立ち位置も微妙で、キャラがすんなり読めてこないことが問題か。

ブラックジャック2010」
相変わらず、ソツなくまとまった小品に仕上がっている。前後編なんだから、もうひとヤマあって然るべきかと思うけれど。それにしても、アニメ放映に合わせたリメイク版は何故に山本賢治だったのか。ああいう企画こそ吉富に任せればよかったのに。

侵略!イカ娘
アニメ版スタッフのインタビュー記事が1ページ。
【監督 水島努】発言要約:イカ娘かわいい
【シリーズ構成 横手美智子】発言要約:イカ娘かわいい
【キャラクターデザイン 石川雅一】発言要約:イカ娘かわいい
本編は完全に「南風」店主が話を持っていってしまって、偽イカ娘こと鮎美が可愛らしいところを見せるものの、本物イカ娘はわき役扱い。まぁこれはこれで面白い。

シュガーレス
何者ともつかない鮭なる人物を巡るグダグダ、どれほどの価値があるとも思えぬ校内の「てっぺん」を巡るドタバタは、中心不在というよりほかない空疎な話だったのだが、丸母の過去という縦の時間軸と、校外の不良という横の空間の広がりとが出てきて、今はちょっと面白い。もっとも、こうなったらなったで「話の本筋は何?」という疑問もわくわけだが。

それにしても、「不良が殴りあって頂点を目指す話」は、ナンバにクローバー、クローズときて4本目で、作品個別の評価はさておき、いささか供給過剰ではないか。しかも後発2作は状況設定ほぼ同じだし…。

ギャンブルフィッシュ 阿鼻谷が準決勝で敗退、という展開はあり得ないわけで、「ジャスミンも負けにならない決着は何か、あるいは負けたジャスミンがそれでも生還する方法は何か?」が興味の焦点だったのだが……最悪。これでは、ひとりで抜け出してきた白鷺の「彼女の勇気に賭ける!!」という大見得も、父譲りの「未来を変える力」の描写も全く無意味ではないか。

さらに言うと、「片足の足かせは外れていること(どの道10点にならないと脱出できないのだから無意味、だがだからこそこれが脱出のヒントではと思っていた)」や「水位とともにテーブルが上がってきたこと(テーブルあるいはカード射出機が水没したら何か不都合が起こりうるからではないのか? 例えば、機械が停止して試合中断、ジャスミンは医務室送りで試合続行不可能、阿鼻谷の勝利となる。次の一枚が出ていればジャスミンのツモ上がりだったのに…といった展開を予想していた)」も何の伏線でもなかった。なんとお粗末な。

ゲーム自体はふつうの麻雀よりも面白いくらいだし、白鷺がフリテン手の国士無双であがったり、モーリーがダブロンか白鷺だけに振り込むかの決断を迫られたあたりまでは面白かったのだが…。原作者もいいかげん阿鼻谷は扱いあぐねている感じだ。