散歩に関する自己言及

どこへ行ってもフラフラと散歩をするものだから、思いがけず変な建物にめぐりあったりする。
例えば、田舎町で無駄に立派な近代建築の自動車整備工場に行き着いてしまう。後日その成立を調べてみると、昭和3年の竣工当時は公会堂だったのが、後に映画館となり、昭和40年代にどうしたわけか自動車整備工場になったのだという。
煙突から煙が上がっているのに番台には誰もいない、客も当然全くいない銭湯に行き着いたりもする。後日再び訪れたときにはちゃんと番台に人がいて、なのに輪をかけて不思議な訪問になったのだが……その話は今はいえない。
キャバレーみたいな学習塾や、銀行みたいなアパートに行き着いたこともある。「なんだそりゃ?」と思うだろうが、事実そのとおりなので他に書きようがない(写真が見たければ「明日は昨日の為にある」へ、とPR)。
あるいは、駐車場を突っ切って近道をしようとしたら、荒れ果てた日本庭園に迷い込んだ、なんて経験もあった。これの後日談はTV番組だの戦前戦中の日本画家だのが絡んでちょっとしたボリュームなのだが、いずれ「明日は昨日の為にある」で。
そういう性格は調べもののときでも変わらない。フラフラと調べものをしていると、思いがけず変なところにたどりつくことがある。(つづく)