ゾイドジェネシス#7

第7話「嘆きの山」
ザイリンの反撃によってゲリラのアジトは壊滅。「包囲したつもりの側が包囲されていた」という展開は、前回の意趣返しといったところなのですが……。前回は航空偵察と空輸という説得力あるプロセスを見せてくれたのに対して、今回は「どうして後ろから!?」「そんな!?なんで前から奴らが!」……いやもう、視聴者もそう思ってますから(苦笑)。袋のネズミ状態から、岩盤に穴を開けて脱出というのも強引な感じ。まぁ戦闘のプロセスがいまひとつだった分、キャラ描写の力が入っていたので、トータルでみればいつもどおり高く評価できる話でした。

ガラガ
今回の主役はなんといってもガラガ。戦勝に意気あがるゲリラの描写で単純バカを印象付け、それを受けて「そういう思考回路だから女に嫌われるのよ」「そうなのかコトナ!?」「それは理由第3番!」で笑いを誘っておいて、シーンが切り替わるとシリアスムードになり「重傷を負った仲間を気遣って移動できない」という真相が明らかに。くそぅ巧いじゃないか。嬉しくも悔しいぞ、こういう巧みなキャラ描写。

ルージ
自らの事情をはっきりとガラガに伝えて仲間になるという話を断ったうえで、ラ・カンにも「放っておけないんです」。相変わらず、というべきか嫌味のないいい子ぶりを発揮してくれました。クライマックス、ルージの「うおぉぉぉぉぉぉっ!!」に感応するようにライガーの「村雨」の文字が光を放ち、かつてない力を発揮しましたが、これはルージの力なのかそれともライガーの力なのか?

ミィ&ラ・カン
浮かれるゲリラ達に苛立って撤退を勧めるミィ。対ディガルド戦の経験は豊富ながら、人格的にはまだまだ子供ということでしょう。一方のラ・カンはミィと同等かそれ以上にディカルドの脅威を知っていて、しかし「元よりそのつもりだ」と、ゲリラにも理解を示す……。この対比が実に鮮やかでした。

ゾイド
プロセスだけでなく絵や動きついても前回に比べてあっさりした感じ。これは演出センスの問題かそれともCG技術の問題なのか? デッドリーコング、棺桶に仕込まれているのは第3第4の腕だと判明。あれだけ勿体つけてこれがオチということも無いでしょうから、もうひとつ何かがあると思いますが……。次は花でも出るかな? ああ、でも棺桶の左腕でバイオゾイドを一撃で倒していたから、やっぱりこれがリーオの武器?

ディガルドの人々
今回は普通に強かったのに何だろう、ザイリンにまといつく、このヘタレた感じは。まぁ「最高だ。悪あがきもここまで来ると美しいよ。どうした、待っててやるからもう少し頑張ってみせろ! フハハハハ!!」と無駄な余裕をみせて「バカな!!」だから充分ヘタレ野郎なんですが。「運のいい坊やだ」の捨て台詞なんてもう最高。人工知能というか兵隊の台詞回しが前回と随分変わっていて、いかにも機械的な言い方に。なかでも「了解」に相当する台詞が「ディガ」でなく「ウェェェ」になったのはちょっと気になりました。