80年代レトロにはさほど興味がないのだが、「攻殻機動隊1983くらい」(7月1日付)とか『80年代マイコン大百科』(7月13日付)とか「武器よさらば」(8月3日付)とかこのところポツポツ触れてきたので、下書きのまんまホッタラカシにしていたネタを掘り返す。
- 作者: 堀井憲一郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/04/19
- メディア: 新書
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ずんずん調査のホリイ博士が80年代と対峙 クリスマス・ファシズムの勃興、回転ベッドの衰退、浮遊する月9ドラマ、宮崎勤事件、バブル絶頂期の「一杯のかけそば」騒動……あの時なにが葬られたのか?
いやまぁ未読というか未購入なんですけどねこの本。
紹介文にある「クリスマス・ファシズムの勃興」、クリスマスが恋人達の行事になったのは1983年であり、その原動力のひとつは松任谷由美の「恋人がサンタクロース」だ…というあたりで、そのうち「風立ちぬ」(すみませんまだ見てません)によるユーミン再評価と絡めてなんか書こうと思ってました。
ていうかちょっと書いちゃいました。
ひょっとしてさぁ、荒井だった頃のユーミンの歌がいいって言ってる人は、そこに感じる「懐かしさ」と、昭和初期の物語にあるべき「懐かしさ」とがもうごっちゃになってるんじゃないの? どちらも同じく「昭和」のものとして受け入れちゃってる。
(7月3日付)
他方、上に引用した紹介文にも出てくるキーワードが「宮崎勤事件」。そのプロローグとして「おたく」が発生したのも80年代半ばだ。おたくの発生と、「恋人がサンタクロース」に象徴される恋愛マーケットの形成とは、色々なレベルで表裏を成すトピックなんではなかろうか? ……とちょっと探ってみる。
「おたく」の精神史―一九八〇年代論 (朝日文庫 お 49-3)
- 作者: 大塚英志
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2007/03/07
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私は80年代半ば、とりわけ1983年については、サイバーパンク夜明け前と捉えたり、あるいは米ソ核戦争による人類絶滅に怯えていた時代だと捉えたりしていたが(2009年10月8日付「「つぎの日ちきゅうがばくはつしておわり」の世代論」、2010年1月29日付「「明日地球が爆発して終わる世界」の世代論」)、おたくと恋愛マーケットの発生という部分でも面白い時代なのではと思えてきた。