『結城友奈は勇者である』#12(最終回)

変な笑いが湧いた最終回。「これの最後は喩えて言うなら「『気持ち悪い』とも『おめでとう』とも言われない人類補完計画」になる」(12月15日付)という予想は、7割アタリってくらいかな。
・ストーリーや設定の整合性をかなぐり捨てて決着を付ける
・個人の問題、もしくは個人対個人の問題に収斂する
・しかし、視聴者を変に考え込ませない、明快な幕引きになる
ここらは予想どおり。加えて、前回で夏凜がああなった以上は最終回はもう「全て元通り」か「全滅」のどちらかしかなかったから、だったら全て元通りのほうだろうと思っていた。

ただ、世界は既に四国しかないというすっとぼけた世界設定にして、今回はさらに「迫りくる太陽を押し返す」というトンデモな描写を(それとわかっていて)やらかしたというのに、「世界は(物語が始まった時点での)元の姿に戻りました」(設定上は勇者と大赦以外は大変なことがあったことにすら気付いてないわけだが)で終わるのはさすがに消化不良だろう。ここは「人類補完計画」予想は大ハズレ(ここが予想の肝だったんだけどね)。シリーズ化の下心で筆が迷った?

加えて、あの拍手(「おめでとう」とは言わない)はどうなんだろうなぁ……。制作者がやりたかったことはよくわかる。「人知れず戦っていた勇者たちが、その功績に対する直接のものではないけれど、確かに人々に称賛されるエピローグ」というのは、この場面だけ切り取れば中々の名シーンではある。

だけどこれまで、そういう一般市民の視点での描写は徹底して排除していたし(それこそが作品の特徴だった)、勇者部の承認欲求も全くと言っていいほど描かれていなかったのだから、唐突感というか「取って付けたような名シーン」の印象が禁じ得ない。まぁその前に、友奈ちゃんと東郷さんの関係でストーリーは着地していたから、オマケみたいなものと受け止めればいいのだけど。

もうひとつ、予想外なのは「根性」で押し通しちゃったこと(苦笑)。まともな理由付けは無いとしても、まさかそっちに突き抜けるとは思わなかった。よくよく考えてこれをキータームにしたんだろうけど、結果だけでいうと「精神論の軽さを帯びちゃったね」と言わざるを得ない。描写や展開はあのままでも、「根性」という言葉でなければもうちょっと印象も変わったんじゃないかな。

巷の感想をざっとながめて意外だったのは、「ああ、結構みんなちゃんとした理由を求めているんだなあ」ということ。前々回でそもそもの原因が「天の神様の粛清」だと明かしたことを、私は「筋の通った設定なんてありませんよ、整合性のある結末なんてやりませんよ」という作り手の意志の表明だと受け止めて、そのつもりで最終回も見ていたんですが、みんな真面目に「神樹の意志とは何なのか」とか「そもそも供物は必要なかったのではないか」とか「勇者システムはどうなるのか」とか考察している。

そうかあ、やっぱり「設定」にはまだまだ需要があるんだ、と興味深かった。いやぁ難しいね。どういうさじ加減が適当なんだろうね。

そこらへん含めて(そうした課題が抽出されたことを含めて)、最終的な評価も「実験として意義ある作品だった」に収まります。いやこれ、私にしては誉めてるんですよ? 円盤は買わないけどね。