/機動戦士ガンダムAGE#15

「おまえたちは,なにものなんだ!?」
「にんげんさ・・・.ちきゅうに みすてられたな.」
「にんげんだと!?」
「そうさ,かせいいみんの いきのこりだ!
 われわれは,150ねんまえ,じんるいの きたいを うけ,
 たびだったのだ.しかし,ちきゅうは うらぎった!!
 われわれを みすてたのだ!!」

UEの正体、事前に「重装機兵レイノス」だとか「機動戦艦ナデシコ」だとか予想していたわけですが、まさか何のひねりも無くそのまんまだとは、逆に予想外だった(苦笑)。

設定には後ほどツッコミを入れるとして、ストーリー面ですが……。前回の段階でユリンの死、デシルの退場、スパローとタイタスの大破と、盛り上がる要素はやり尽くしたので、あとは残りカスの後始末なんだろうなと思っていたら、その予想をすら下回ってくれた。

ビグザムモドキには何の見せ場もなく、何しに出てきたのかわからない。戦闘中に前回と同じ「リボンが飛んでシーンが切り替わり、幻想の森の中でフリットとユリンと対話」という場面を臆面も無くまたやるが、演出のセンスがあまりにも幼稚で笑える珍場面になっている。ボスキャラが追い詰められてベラベラと自分たちの正体を語りだす、なんてのは悪い意味であまりにRPG的。そして活躍もピンチもないままラーガンが生き残る(笑)。

唯一感心したのは、グルーデックの極悪っぷり。「お前の父親を殺したのはこの私だ」と潔く告げるから、てっきり言い訳でもするかと思いきや「復讐という亡霊に取り付かれて悲劇的な人生を歩め」ってスゲーなおい。あの子供を第二世代編のボスキャラにするための物語上の都合もあるのでしょうが、ここだけは感心しました。

さて。UE改めヴェイガンの正体、今に至る経緯が明かされたわけですが……。
「150年前、人類は増え過ぎた人口を地球圏に抱えきれなくなった」……。ええと、けれど火星移住計画は失敗して、で、人口問題はどうなったの? 「蔓延する死病の恐怖と戦いながら、火星圏に国家を築いた」……。ええと、で、どうやって死病を克服したの? ていうか「そこが火星であること」が死病の原因なんだから、とにかく火星を離れて地球圏に帰還すべき状況でしょ? 何を悠長に国家なんて作ってるの? 「イゼルカント様の志は、そんな低次元のものではない」……。ええと、どんな高次元の志ならば「正体を隠しつつ14年間コロニー襲撃を散発的に繰り返す」という戦略を選択するの? ていうか14年前かそれ以前に地球圏に帰還できてたってことにならない? 「イゼルカント様の計画は貴様らに理解できるはずが無いっ!」って言われてもなぁ。そらぁわからんよ。

次回からは時代が飛んで第二世代編になるわけですが、なぜこの絶好の機会に中核スタッフの首の挿げ替えをしないのかと甚だ疑問です。ここまで全話感想を書いてきましたが、今のままだとちょっとツライかなぁ……。