マクロスF「ライオン」解釈

マクロスF(フロンティア)』後半の主題歌「ライオン」。ツイッターで歌詞が意味不明と言われていたのを目にしたので、少しばかり解釈を試みてみた。結論から言うと『宇宙的な因果』と対決する『個と個の運命』の歌、あるいは『不可知の因果』対『自由意思』。
 
♪星を廻せ 世界のまんなかで
♪くしゃみすればどこかの森で蝶が乱舞
「くしゃみすれば〜」はバタフライ効果「北京で蝶がはばたけばNYで嵐が起こる」のもじり。カオス理論の予測困難性を提示している。となると最初の「星を廻せ」は、以下とは対照的に「意志を持って事を起こせ」の意味と取れる。
 
♪君が守るドアの鍵 デタラメ
カオス理論的な変化、予測不能な因果は個人にも及ぶが……。
 
♪恥ずかしい物語 舐め合っても
……因果は不可知であれ、人はそれぞれ「物語」を築く。「物語」とはすなわち個人の生き様、「恥ずかしい」のは極めて私的な生身の領域に及ぶから。
 
♪ライオンは強い
「ライオン」とは勇気。私と君でプライベートを舐め合うような関係であれ、個を生きる勇気が築いた物語は不可知の因果に負けない。
 
♪生き残りたい 生き残りたい まだ生きてたくなる
不可知の因果に対する不安、そこから逃れようとするあがき。
 
♪星座の導きでいま、見つめ合った
明瞭な、信じられる、信じたい運命の導きによる君との出会い。
 
♪生き残りたい 途方にくれて キラリ枯れてゆく
あがき疲れてかすかな諦観がよぎるが……。
 
♪本気の身体 見せつけるまで 私 眠らない
……己の体、身体性を支えに諦観を超えていく。



うむ。ネタ半分というか遊びとしての「解釈」だけど、割とそれらしく書けた(でも2番は無理)。意味不明感のある「♪くしゃみすればどこかの森で蝶が乱舞」と、あまりに直截過ぎる「♪生き残りたい 生き残りたい」とを対照させて、「そもそもタイトルの『ライオン』とは何か」でつないだ……という次第。